500 Startups と Fortune 500に選ばれた会社の比較から、企業カルチャーについて考えてみた

 「Hahaha it actually shows that. Good catch, Mami!」


(もう先月になってしまったが)2日間スタッフ参加したTech in Asia Tokyoで、ものすごく嬉しい出来事があった。
私の担当は、メインステージ登壇者の登壇後のメディアインタビューをコーディネートすることだったのだが、連絡が行き届いてないのかメディアがスピーカーに興味が無いのか、肝心のメディアが現れないことが数回あった。500 IndiaのPankajiを対応した時も同様で、メディアが1社も来なかった。

それまでと同様、登壇した直後のPankajiともう1人(インド人の投資家)をメディアルームに迎え、場所の説明・何故メディアがいないかの説明(要は謝罪)をする。この時、私はどちらが500 Indiaの人か認識しておらず、ただひたすら失礼のないように謝っていたのだが、その2人はこんな特徴を持っていた。
・1人はiPhoneをスクロールしながら私の話を黙って聞き、
・もう1人はじっと私の目を見つめながら話を聞き、その後で「大丈夫だよ。君のせいじゃないのはわかってるし、ステージでの対談楽しかったから」と笑顔で返してくれた。

このとき、直感で「この人が500の人に違いない!」と思い(私の直感はよく当たる)、後々きちんと自己紹介をしながら話したら(すごく人柄が良い人だったので生い立ちやキャリアが気になって、翌日イベントが終わった後に小一時間話し込んだ)、「確かにそうだったね、よく観察してるじゃん」的な意味を含めて「Good catch!」と言ってくれた。

イベント運営に携わっていた経験から、良くも悪くも、組織もイベントも結局は人がつくっているもので、最終的には「人柄」や「丁寧さ」が最も重要であると感じていた私は、一言で言うとこのとき感動した。

組織を存続させるために、「何を達成するか」のミッションや存在の意義を掲げることはもちろん大事だが、この出来事から、何故ここで働きたいと思ったか、いかに企業文化やフィロソフィーが重要かに一度フォーカスしたいと思った。

せっかくなので、アメリカ留学時代に3ヶ月弱インターンをしていたFortune 500に選ばれている企業:Expeditors International Wasington, Inc.(アメリカはワシントン州シアトルにヘッドクォーターを置く、世界100カ国強にオフィスがあり従業員は15,000人強、日本にも展開している空海運の物流企業)と比較してみた。
※リンクにもあるが、Fortune 500とはアメリカ合衆国フォーチュン誌が年1回編集・発行するリストの1つで、要はこれにランクインされる=めちゃ働きやすい会社の象徴ということだ。

 

Expeditors International Washington, Inc.

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文化についてのwebsite引用

At Expeditors, our culture is about exceeding our customers' expectations and providing a place for our employees to make a career. It is noticeable that our people just care more. They move faster, work harder and are better rewarded than our competition. Our offices are neat, organized and set up in accordance with our quality standards. It's a simple philosophy that works - we will do all we can to protect our culture.

 

このもとに、10のフィロソフィーがある。


Appearance (見た目、容姿、態)

Attitude (態度、物事に向かう姿勢)

Excellence (優秀、卓越)

Confidence (自信、信頼)

Curiosity (好奇心、興味)

Integrity (正直、誠意、誠実さ)

Pride (誇り)

Resolute (断固、果敢)

Sense of humor (ユーモアのセンス・感覚)

Visionary (明確なビジョンを持つ人、夢想家)

 

インターン中、コラージュをつくってホーム画面に設定していたほど、このカルチャーが大好きだった(CuriosityとAtitudeがお気に入りだったのは明白(笑)今はどちらかと言うと、IntegrityとConfidenceが好き)。Fortune 500に選ばれている程度なので、発言を受け入れる、他者をほど良く気遣う・互いを尊重し合う、社員教育がしっかりしている(物流からビジネス、会計、システム、国・企業文化、パブリックスピーキング等々、必修・選択含む役員・取締役含む全社員対象のクラスがたくさんある、私の仕事はこのトレーニング部署のお手伝いだった)という点で、とても働きやすい会社だと感じた。

 

500 Startups

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※日本語訳は、THE BRIDGEさんの記事から拝借。

thebridge.jp


1. Be bold, be humble. Forgive mistakes, but not timidity.

1). 大胆であれ、謙虚であれ。ミスは許しても、小心は許容すべからず

2. Move fast, break things. Iterate to success. Fast.

2). 迅速に動き、物事を破壊せよ。成功するまでそれをスピードを持って繰り返せ

3. Challenge yourself, and others. Hold each other accountable 100% of the time.

3). 自分、そして他者に挑戦せよ。常にお互いに責任を課せ

4. Be diverse and inclusive. Diversity and inclusion is our strategy and moral imperative. Embrace it.

4). 変化し、多様であれ。多様性と包含性は、私たちの利益戦略で道徳的必須要項だ。それを謳歌せよ

5. Have fun. It's our job to make money and GSD, but it's also our job to have fun.

5). 思いっきり楽しみ、稼げ。稼ぐことは私たちの使命でGSD(Get Stuff Done)であると同時に、それを楽しむこともまた私たちの使命である

 

※GSD=公の場では"Get Stuff Done"と言っているが、実際(インターナルで)は"Get Shit Done"。

 

(何故か日本語に訳すと表現が硬くなるような・・)Forgive mistakes, Challenge yourself, Be diverse and inclusiveはSlush Asiaの頃から大事にしていたことだし全部好きだが、特に5番目の #HFGSD (=Have Fun Get Shit Done) が大のお気に入り。VC・500・James/陽平さんのことを正直あまり知らなかったが、最後の一文を読んでインターンの応募を決意したと言っても過言ではない。

 

 

と、いうことで、比較も何もなくただ羅列しただけだけどw、9月は500のUSや東南アジア、インド(Pankaji)チームの人に会うことが多く、インターン2ヶ月目にしてより"500 Startups カルチャー"を感じることが多かったので改めて振り返ってみた。もちろん日本オフィスでもこんな感じで、いつもジョークを飛ばしながらも #HFGSD をちゃんと遂行している(私は効率悪いながらもこれを目指している)。

 

最後に、私は物事よりも直感やカルチャーフィットを大事にしているので、組織に属す・企業を選ぶ時だけでなく、組織をつくる時においても、ビジョンだけでなく文化をつくることは大事だ、と強く感じている。SlushでもAsia(Tokyo)なりにカルチャーを明確にできたのかな、と時々思うし、次に自分が組織をつくる時には、どこかのタイミングでこういうのつくりたいなぁ、というぼやきで終わり。